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桃井緑美子(2006.1.2更新) |
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新年明けましておめでとうございます。ですがエッセイは今年も年末話。 昨年末、京都土産に新選組キティをもらった。なかなかベタなお土産である。それに去年の大河は「義経」でしょう。といっても、2005年の大河ドラマ「新選組!」にはかなり楽しませてもらったので、チョイスとしては正しいのだ。家人によると、新選組のほうがお土産グッズが多くて、京都でも義経は人気ないらしいとのこと。やっぱりね。大河ドラマは一年間最後まで見切れるかどうかというのが単純ながら一つの評価基準になるだろうけど、「義経」は途中で挫折しちゃったもの。主役のアイドルくん、演技力なし、表情なし(顔は2種類のみ)、オーラなし。聞いていると窒息しそうな気がしてくるナレーションも苦手で、早々に見限ってしまった。 新選組キティをもらって「新選組!」の池田屋事件の回を見逃したことを思い出し、人はもう新年の話をしようというころに、一昨年のドラマのDVDを借りてきた。「新選組!」の視聴率はあまり高くなかったというが、ファンが熱心だったのか、三谷幸喜の名がきいているのか、総集編ではなくドラマ1年分が13巻のDVDになって販売&レンタルされている。新選組を一躍有名にした池田屋事件の回は第8巻。ここからしばらくが新選組の絶頂期、その一方ではまもなく毎回のように隊士が死んでいき、いずれ徳川幕府も急速に追いつめられていくことになる。 本放送のころ、毎週テレビの前で泣いているという友人をわたしは笑っていたのだったが、このたび第8巻から勢いにのって最後の第13巻まで見たら、人を笑ったりするものじゃありませんね、泣かせられてしまった。本当の新選組はこんなではなかったという向きがあろうと、本当のことなんて人の数だけあるものだし、それはそれ。「新選組!」は配役もなかなかよくて、ドラマとしてはやっぱり面白かったのだ。「承知」「励め」「お手前方」などのセリフや、ちょっと僻みっぽいことをいうと「芹澤先生」と指摘するのがうちでは流行ったなあ。このドラマも主役はアイドルだけど、香取くんはまずまず健闘したといっていいでしょう。近藤勇が最後の日に板橋の刑場で集まった見物人の前を歩いていくときの表情など、印象的だった。ふだんの彼はよく知らないが、性格的に役に合っていたのかな。あるいは脚本家が俳優をよく見てうまく書いたのかもしれない。もう一つ、現場がよかったというのはあるかもね。大河ドラマは長丁場だから、撮影のあいだに共演者の息が合ってくれば、いいところが増幅されようというもの。赤穂浪士なんかもそうだけど、団結モノはとくにそうなりやすいんだろうな。 そうしてついつい最後まで見てしまうと、前半の見所である芹澤鴨(役者は佐藤浩市さん)も見たいじゃないか、じゃあ大河ドラマなんだからこのさい年末までに全部見切ってしまおう、ということにした。ここが師走の恐ろしさ。諸々の事情も顧みずに、年内にやってしまおうと思わせられるのだ。ところが、ここで思わぬライバルが出現。借りにいってみると目あての巻がない。戻ってきたのをようやく借りられてもつぎがつづかない。うう、じれったい……。敵もわたしが返した巻をそくざに借りているもよう。新年3日に続編が放映されるというから、さてはその予習をしているな……。しかたなく、合い間に『壬生義士伝』を借りた。これは浅田次郎の原作をもとにした映画で、視点はまったく違うけれど同じく新選組を扱ったもの。ああでも、演出がくどいわ、ポイントがずれているわで、いまひとつつまらないじゃないか(それでも年賀状書きをしながら2度も見てしまったのは、これまた準主役の佐藤浩市さんの演技のおかげ)。 30日、ようやく第5巻にたどりついたものの、これで年内はもうムリだ。あと2巻を残して年を越さねばならない。近藤、余は、余はくやしい(松平容保)。思いがけず一人熱くなり、志破れた年の瀬になってしまった。 (ももい るみこ) |
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桃井緑美子(2006.2.3更新) |
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縁側猫日記 その壱
はじめまして、ボクはトロです。っていうか、トロって呼ばれているんだ、このうちの人に。ここのウチ、縁側なんかないけど一階なのでときどき遊びにきているんです。 一年半くらい前だったかなあ、物干し竿からヒモが下がっていて、先っぽにマタタビが結わえつけてあったんだ。あとで聞いた話では、フジロックとかいうところから買ってきた、たいへんめずらしいものみたい。塩漬けでしょっぱいからって、水で塩抜きしてからぶら下げているんだって。で、その水もそこに撒いてある。だからあたりにいい匂いがぷ〜んと漂っててね。ちょっと通り抜けるつもりだったのが、思わずうっとりしちゃった。目をほそめてマタタビを見つめる姿を目撃されて、トロンとしていたとかでトロになっちゃった。あんまりカッコいい名前じゃないけど、まあいいや。気にしない。 ボクはおじいさんに飼われています。緑色の首輪をしています。ずっとしてたので、ほら、擦れて毛がなくなっちゃった。痛くないからだいじょうぶ。でもボロくなっちゃったので、今年はお正月に新調してもらいました。今度のはチェックでちょっと恥ずかしい。前の無地のほうがシブくて好きだったな。でも、せっかくおじいさんがかわいいと思って買ってくれたので、文句はいいません。おじいさんとは仲よしなんだよ。 ![]() だからボクはごはんがほしくてここのウチに来ているわけじゃない。なんかくれようとするけど、おなかは足りているんだ。マタタビの縁で知り合ったウチなので、たまに見回りの途中で顔だすだけ。元気だよ、ってね。すごくよろこんでくれるの、ここのウチの人。それでブラシをかけてくれるんだ。気持ちよくて大好き。だから来たときはたいてい上がっていく。でも、二回ほどマーキングしたのね、うちのなかで。だって、それって猫としてはあたりまえでしょ。それ以来、ここのウチの人、目が離せないってボクにつきっきりなんだよね。忙しいときには、もう帰る? もう帰る? なんていって、サッシのとこで押すんだよ。失礼だなあ。 最初はここに来るのボクだけだったんだけど、やっぱりマタタビに寄ってくるやつはほかにも出てきたし、ごはんくれるってウワサもちょっとずつ広まって、いまでは十匹くらいいるんじゃないかな。だからボクが行くのはなるべく昼間にしている。かち合うのはいやだからね。ボクはごはんを横どりしたりなんかしないのに、うるさいんだよね、あいつら。うなっちゃって。でも、しょうがないのかも。この前はミケと鉢合わせしたけど、引き下がってあげた。あいつ野良だし、小柄だし、女だから。ボクはここのウチにときどき挨拶にくればそれでいいんだし。しばらく行かないと、トロどうしてるかなあ、ってきっと気にしているはずだから。心配させたらいけないよね。だから年末と年始はちゃんと挨拶に来たよ。ボクはおじいさんっ子だから、そういうのはしつけられたの。やっぱりトロはえらいねって褒められた。そんなのあたりまえなのに。 (ももい るみこ) |
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桃井緑美子(2006.3.3更新) |
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ある日の日記から 2月某日 年末にiPodナノを購入。去年から歯医者さんにお金がかかってピーピーになってしまったので、プレゼントしてもらった。入荷待ちで、先日ようやく入手。 てもこれ、首から下げるようになっていない。ポケットに入れて使えってことね。じゃ、ポケットないときは……手に持つ。んなバカな。っていうんで探したら、アクセサリとしてへんなリストバンドがあった。iPod本体を入れて手首につける。そこからイヤホンが耳までにょろっと伸びる。こんなのつけて外を歩くの恥ずかしいかも。といいつつ、どんなものかちょっと見てみたい……。それからそのままでは本体が傷つきやすいというので、保護カバーというのもある。これが5色入りで3400円もする。5個もいらん!というわけで、アマゾンでバラ売りしているのを発見し、リストバンドとともに発注。 ところが……商品が到着してさっそく試してみたら、保護カバーを装着するとリストバンドに入らない! どうしてくれよう。あ、ちょっと待てよ。いいものがあった。フジロックのタイムテーブル入れ。ぴったりじゃないの。ああ、でもかっちょワル……。 でも、ナノ自体は使いやすい。もっとCDの音源を落としてもらおうっと。 2月某日 ×日(一昨日)は韓国に帰る友人の送別会だった。池尻のHANEYAはおいしかった。 それより驚いたのは、わたしには初対面だった2人の片方(ほかはみんな元or現某社なので知りあい)が、小田さんというジミー・ペイジだったことだ。目の前に座ったときから「げ、似てる……」。なのにわたしが指摘するまで誰も気づかなかったんだって。どこを見ておるんじゃ。 そして二次会で行った渋谷の某ロックバーで、さらに驚いたことが。 ボンゾとペイジが(プラントもちっちゃく)いた……。これがまたいい写真なので、小田さんというジミー・ペイジに携帯で写真を撮ってもらった。ここへ送れ(忘れたら許さんぞ)、と無理やり名刺をにぎらせた。待ちわびていたそれが今日やっと届いた。うふふ。でも、小田さんというジミー・ペイジは本当はゲイリー・ムーアらしい。 [注:ペイジ、ボンゾ、プラントはわたしの好きなロックバンドのメンバーの名。] 2月某日 ![]() 『ウナギのふしぎ――驚き!世界の鰻食文化』(リチャード・シュヴァイド著・梶山あゆみ訳/日本経済新聞社)を読む。 うなぎの生態は謎だらけ。アメリカとヨーロッパのうなぎは大西洋のまんなかのサルガッソー海で生まれて(魔のバミューダトライアングルのあたり!)、せっせと各地の川を目ざす。海水から淡水へ入っていくので途中でどんどん変態する。適当な落ち着き場所を見つけるとしばらくそこで暮らす。そしてまたとんでもない帰郷の長旅に出てサルガッソーに戻り、子供をつくって一生を終える。日本のうなぎの生まれ故郷はマリアナ諸島付近の海山。新月の晩に生まれ、黒潮に乗って日本にやってくるという。 いまじゃどこのスーパーにだって蒲焼になって売られているっていうのに、養殖うなぎは卵を受精させて育てたものじゃない。うなぎは人工飼育では繁殖しないんだそうだ。だからシラスウナギと呼ばれるうなぎの幼魚を捕ってきて育てている。 こうしたうなぎの不思議な(よくわかっていない)生態を紹介するとともに、うなぎにかかわって生活する世界の人々の暮らしの断片がつづられる。漁師や仲買人の話。生活感が漂ってきてよい。惜しむらくは、日本の事情に割かれているページが少ないこと。表紙は国芳、そして北斎漫画。本文にも世界一のうなぎ大国は日本だと書かれているのに。翻訳ものにありがち。極東まで取材にくるのはやっぱりたいへんなのか。でも、そこを訳者があとがきで補ってくれている(ちなみに梶山さんには一度お目にかかったことがある。猫好きということで話が盛りあがった)。 アメリカ人はうなぎをほとんど食べなくなってしまったが(ナマズは食べるのに!)、ヨーロッパではイギリス、アイルランド、イタリア、スペイン、オランダ、ドイツ……とかなりの国でうなぎ料理を食べている。本にはレシピも紹介されていて、ちょっと試してみたい気もするけど、生のうなぎってめったなことじゃ手に入らないよね。ぬるぬるだし(これについては3本指でつかむというワザがあるらしい)。 [注:日本のうなぎの生まれ故郷はこの本の執筆時には推定だったが、今月(2月)にそれが正しいことが確認されたと発表された。] (ももい るみこ) |
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桃井緑美子(2006.5.2更新) |
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やっぱりきた。太った。すごい、すごい。去年の年末に出かけようとしてひさしぶりにスカートをはいたら、ぱっつんぱっつんでビックリ。禁煙すると太るってほんとなんだ。しかし、感心している場合ではない。さすがにこれはマズイでしょう。そこで、お正月の三が日がすぎたらダイエットをしようと決心した。
1月5日。まずはスタート時の体重を知らなくてはいけないので、数年ぶりに体重計にのる。すごい、すごい。こんな数字をマークしたのは十代のピチピチ成長期以来だ。高をくくって好き放題していたバチだね。禁煙したら太るらしいから気をつけよう、なんて思っていたのは1か月くらいのもの。そのあとは真夜中の寝る前に酒の肴をつまみながら日本酒を飲んだりしてたんだもの、そりゃ太るよね。もっともこの増加傾向は禁煙のせいだけでなく、思えば去年の夏あたりからはじまっていたような気がする。とにかく初めてのダイエット、スタートするしかない。 理論も方法もとっても簡単。食べなければ痩せる。だから最初の1週間は野菜とリンゴのみですごす。じつをいうと、このやり方は「7日間脂肪燃焼ダイエット」とかいう方法を参考にした。ネットで検索すればいくらでも引っかかるけれど、野菜スープとくだものを基本にするもの。でも、すっごくあやしい。このスープなら食べれば食べるほど痩せるだなんて、やっぱりウソでしょう。食べて太らないものはあっても、食べて痩せるものなんてあるわけがない。それに、6日目の「牛肉と野菜の日」には好きなだけ牛肉を食べていい、だなんて。それで1週間で8キロ痩せる、だなんて。ま、いかにも脂たっぷり・お肉モリモリの欧米生まれの方法らしい。たった2日がんばったご褒美がベイクドホテトだっていうんだから。 極端なダイエットは健康的ではないといわれるけれど、絶食するわけでなし、世の中にはベジタリアンがいるのだから、野菜のみですごしたって健康を害することもないでしょう。しかも、たった1週間のこと。そこで「脂肪燃焼ダイエット」では4日目あたりから炭水化物とタンパク質を補うことになっているのを無視し、野菜とくだものだけで1週間すごしてみた。結果は2.5キロ減。まあ、こんなものでしょう。1週間でこれ以上減っては急激すぎる。2週間目以降は鶏肉や魚、卵、豆腐をとるようにし、そのかわり油を使わず、炭水化物をとらず、間食せず。夜中に食べないのはいうまでもない。これで1月末までに−4キロ。その後はごはんやパンも少しずつ食べるようにしたので減少カーブはゆるやかになり、それでもジワジワと減って、2月末には目標達成! 禁煙もダイエットも簡単だ。要は、「やる」と決意すること。たかだか2か月の辛抱じゃないの。痩せたい痩せたいと年中いっている人って、特別なことをせずに痩せたいってことなんだろうね。 それから2か月。いまのところ体重はふたたび増加するようすはない。通常生活にもどったといっても、もちろん以前のように夜中に好きなだけ食べて飲む、なんてことはしていない。家にいるときに着ているものも、ストレッチパンチみたいなのはやめて細めのジーパンにした。体重はこまめに計測して記録する。この年齢になると、いいわいいわにしていてはダメなのだと痛感。意識して体重コントロールをしなくてはいけないのだ。しかし、ダイエットにはリバウンドがつきものというのが定石。さて、半年後のわたしはどうなっているだろうか。リバウンドに泣いているか、太っても夜中に酒が飲みたいと開きなおっているか……おたのしみに。 |
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桃井緑美子(2006.6.2更新) |
![]() ワイナリーからの眺め ![]() ケーキ入刀 ![]() イチロー |
アイルランドへ行きたい――なぜかアメリカ、しかもオレゴン、なにしにシアトルの巻 オレゴン州ポートランドはかつて勤務していた会社の本社があるところ。当時何度か行ったこともあって、いまさら積極的に旅行したい場所ではなかった。けれど、なにせ今回は結婚式に招待されてしまった。行かねばならぬ。なにはともあれ旅は旅。行ってしまえばそれなりに楽しめるのだ。駆け足旅行のハイライト。 初日は元同僚のジョンに会ってランチする。偏見たっぷりで悪いけど、アメリカのパスタはいけません。アルデンテなんて概念は皆無のようで、やわら〜く茹でてしまい、とくに不器用な人はフォークで切ってすくって食べる。この日のスパゲティも、味は悪くなかったんだけど、ちとやわらかかった。ランチを奢ってくれたお礼にジョンにお土産をわたしたところ、包装をだいなしにしたら奥さんに叱られるといって開けようとしない。日本のきっちりとした「包み」の美しさは外国人には驚異的らしい。包みを開けたあとに必死にもとにもどそうとする外国人をほかにも知っている。 午後はローズガーデンと日本庭園を散歩し、夜はアメリカ本社に赴任している根岸さん宅へ遊びに行く。安くて広くてきれいな新築の貸家ですっかりリラックスしたものの、飛行機のなかで眠れずにそのまま一日活動したので途中で激烈に眠くなる。3分寝る!と宣言して30分寝かせてもらった。奥さんはお料理上手だし、また呼んでね。 翌日はワイナリーめぐり。99号線沿いにワイナリーがかたまっていて、どこでも試飲させてくれる(一部有料)。ピノ・ノワールがこのあたりでは有名らしいが、2000円台ならもう少しおいしいものが手に入るはず……。5、6件めぐって、結局スパークリングが自慢のARGYLEというワイナリーでめずらしくロゼを買った。ここはTシャツもかわいかったのでお土産に。山ののどかな葡萄畑はよい眺めだし、なかなか優雅な1日だ。 3日目はいよいよ結婚式。式は夜6時から市中のホテルにて。アメリカでもホテルで挙式&披露宴というかたちで結婚式をするのね。知らなかった。細長い簡素な部屋にバージンロードをつくって花びらを敷きつめてある。牧師さんの背後は大きな花が生けてあるだけで、宗教的な飾りはない。多民族国家は、結婚式に呼ぶほうも呼ばれるほうも宗教的バックグラウンドがいろいろだからかしら。式のあとに披露宴会場に移るところも日本と同じだが、新郎新婦の入場!なんてなくて、出席者はてんでに輪をつくってしばらく談笑し、そのあとブッフェ&自由席というスタイルはちょっと違う。日本から出席した親戚のおじさんから祝辞が1つあっただけで、「出し物」もない。でも、ウェディングケーキ入刀はあった。日本でも最近では生ケーキに入刀するのが主流らしいが、それは米国式なのだとか。シンプルなドレスの花嫁は美しく、結婚式ってこちらもしあわせな気分になっていいものだ。新旧社員がいく人も呼ばれ、何年も前に辞めた会社のなつかしい人たちに会えた。 旅の後半は、せっかくなのでシアトルまで足を伸ばした。往路は海岸線をのんびり8時間かけてドライブ。同行の2人にそそのかされて8年ぶりに運転する。でも、その気になったのは口車に乗せられたからではなく、「だいじょぶ、だいじょぶ、ほかの車なんて気にしなくていいんだから」という2人の運転がそら恐ろしくなったから……。なんて人たちだ。ほかのドライバーのみなさん、ごめんなさい。 さて、シアトルでは朝から名物のマーケットをぶらついて、お店をひやかしたりクラムチャウダーを試食したり。おいしかった。ちょっと見直した。やっぱりシーフードはほっとする。アメリカではシーフードにかぎるね。シアトルは都会だから洗練されてもいるし。そこでお昼も桟橋のレストランでシーフード。眺めはいいけれど、昨夜のシャッカーズのほうがはるかにおいしくてリーズナブルだったね。ということで、野球観戦の前の腹ごしらえに、夕方は前夜と同じ店を再訪した。生牡蠣とサラダとワイン。これくらいで充分ね。 その後はいよいよセーフィコフィールドでマリナーズの試合を観戦。友人が切符売り場の係員にロッテファンだというと、「おお、ボビー・バレンタインだな。イチローを見にきたならいい席にしてあげるよ」ってことで、外野席前から3列目くらいに陣どった。ハッピ着た応援団がいるはずもなく、少年たちは飛んできた球をとろうとグラブをもって待ちかまえ、争奪戦の末に取りそこなった子はくやしそうに顔を赤くする。なんだかとってものどかな雰囲気で楽しい。しかし寒い。とにかく寒い。ありったけ着込んできたのにそれでも寒い。温まろうとしてワインを買って飲んだものの、時差ボケがなおらずに毎晩2、3時間睡眠なので、ここでまた睡魔に急襲される。マリナーズが逆転して盛りあがっているあいだ、30分ほど熟睡してしまう。なにしに行ったんだか……。 最終日は車をぶっ飛ばして2時間半でポートランドに帰着。うちにたどり着くと、肝心なところを見逃したマリナーズの試合を家人が録画していてくれた。あっという間の1週間。あと3、4日シアトルに滞在してもよかったな。ジェットラグさえなければ。 (桃井緑美子) |
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桃井緑美子(2006.7.2更新) |
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太田区民プラザで「下丸子らくご倶楽部」というのが毎月あると人に教わり、電車でちょいちょいと行けるので、先月ものぞいてきた。今年になって2度目だ。この落語会は立川志らくと柳家花緑の二人会で、それにゲストが1組と前座バトルと称して前座が3人ほど出る。前座1人あたりの持ち時間は10分程度。バトルというだけあって、観客の投票でその日の一番を決める。先月のプログラムは以下のとおり。
前座バトル ――立川こらく「あくび指南」/立川らくB「近日息子」/立川志ら乃「反対俥」 志らく・花緑 トーク 柳家花緑「壺算」 −仲入り− 林家きくお「大師の杵」 立川志らく「包丁」 見てのとおり前座は志らくの弟子3人で、なんと最後は志ら乃まで登場した。そのあとは志らくと花緑のトークで、さらに二人が一席ずつ演って、あいだにゲストもつく。これでたったの2000円。なんだかとってもオトクな気分。志ら乃なんて前座でチョロッとやるような下っ端ではないのに、短い時間に「反対俥」を熱演した。上手だし、勢いがあっていい。立川流はさすがにつぶぞろいだ。 志らくの「包丁」は、師匠の談志が若いころやってやると豪語したけれどもできず、自分の独演会に本家本元の圓生を呼んだ噺として有名だ。立川流では談春がやって、談志に「おまえ、うまいね」と褒められたので、談春はテングになっちゃってるとのこと。志らくは噺もうまいが、トークもまくらもおもしろい。しかしねえ、殺しの片棒を担がせられそうになった寅、かなーりいやらしい男で、おかみさんはいくら亭主に裏切られたとはいえ、こんな男と一緒になるんでいいんだろうか。 それにしても、太田区民プラザ。下丸子。大きいホール落語の雰囲気と違って、ホントに近所のおじさん&おばさんが誘いあわせて来てるって感じ(そういう自分は……)。地方の落語会ってこんな感じなんだろうね。はじまる前に席でお弁当食べてるし、仲入りのときはお菓子食べてるし。となりのおじさんはエヴィアンのペットボトルで泡の立った黄色い液体飲んでるし(なぜ詰め替え? お酒類は会場内禁止なの? とてもそうは見えないけれど)。フロアは体育館みたいにたいらで、椅子はパイプ椅子だし。でも、花緑はこれくらいがお客さんの顔が見わたせてやりやすいと言った。噺家はだいたいそう言う。あまり広いところは嫌だって。人に向かって話している気がしないんだろうね。 花緑は前週に見たときと同じでこの日も「壺算」。二荷入りの水がめを買いに行った2人組がちょっとした算数のトリックでうまいこと店主をだまし、半額で手に入れようとする噺だ。噺に入る前のまくらはこんな話だった。「3人の息子をもつ馬喰が遺言をのこして死んだ。長男にはもっている馬の半分を、次男には4分の1、三男には6分の1を分け与えるという。いざ息子たちが分けようとすると、馬の数は全部で11頭。どうやって分けたものかと困っているところに、叔父がやってきた。叔父は事情をきくと、自分の乗ってきた馬をあげるからそれを合わせて分けなさいという。11頭に1頭足して12頭。これで長男は6頭、次男は3頭、三男は2頭をめでたくもらえることになり、合計11頭。残った1頭は叔父が乗って帰りましたとさ」 (ももい るみこ) |
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桃井緑美子(2006.8.6更新) |
| フジロックフェスティバル'06奮戦記 今年も行ってきました、フジロック。新メンバーを迎え、行きの上越新幹線が信号故障で運休するという新ハプニングに見舞われ、友人が出演するという新体験あり、しかもこれまでで最高の天気にもめぐまれて、楽しい3日間になりました。5年目にして新しいことはまだまだある! いまだかつてなくショボいメンツといわれた今年のフジですが、なに、ライブだけがフジロックじゃない。 |
![]() [1]ビュンビュン走ったらもっと楽しいのに |
![]() [2]空から見るアヴァロン周辺の屋台 |
![]() [3]着ぐるみも大活躍 |
| まずは初体験のドラゴンドラ[1][2]。世界最長5.5キロのケーブルカーです。これに乗ると会場が一望できる。峰を越えるときにはかなりの急角度で谷底に向かっていったりして、なかなかの迫力です。乗りもの好きのわたしはワクワク。別料金1000円とるだけのことはありました。そして到着したそこは、快晴の青空の下に涼しい風が吹きわたる高原。いやー、気持ちいいこと。草の広場では、ゴーイング・アンダーグラウンドが小さいライブをやっていました[3]。ぜんぜん知らなかったけど、武道館でライブをやるような人たちだったのね。三ツ矢サイダーのCMもやったとか。 |