Work in Progress

Work in Progress

4月からとりかかる翻訳の進行を日記にしてみようかなと思い期間限定で作ってみました。6月22日終了。


2003年4月3日 (木)  最初は……

まず目次ですね。
でもリーディングしたときにレジュメを作ってそのさい目次も仮訳してあるので簡単さ。というかそのまま。

今日は最初の「手紙」部分2ページとイントロを2ページ。計4ページだけどまだ慣れてないからこんなもんでしょう。

ちなみに私は前の晩に明日の作業分の単語調べをします。辞書を引いて原書にメモしちゃう。語彙が少ないんで辞書なしでは意味がわかんない。記憶力も減退してるしなー。

下調べはする人としない人がいますね。私はする派です。でもあまりまとめてやっちゃうと忘れるので明日の分だけというのがコツかな。あくまで私の流儀ですけど。このリズムがなかなかムズカシイのだ。

本日の疑問点は Cool Breeze という言葉。大文字だしね。なんじゃこれは。

もう1つのBarney Greengrass はネットで調べたらすぐわかった。NYのデリベーグルがおいしいダイナーだそうだ。 

2003年4月4日 (金)  ノルマ

自営業だからノルマといっても自分で設定自分で監視自分で破って自分で後悔自分で尻拭い……というどうでもいいものなんだけど。いちおう1日につき原書で5ページ(400字原稿用紙で15枚)がノルマです。

でも突発的に思いついて作った日記だから方針なし。どうなるんでしょうね。

ハイゼンベルグの不確定性原理と同様(ってオーバーだなー)こういう日記を作ったこと自体すでに平常心ではないわけだ。要するに日記に書かなくちゃいけないからがんばって仕事するみたいになっちゃうかもね。あーそうなってほしいものだ。

今日は午後3時の時点で3ページ半終えた。ノルマはできそうだけどこうして日記を書いていることからもわかるようにすでにいやけがさしている。
調べものが不調だと気が散るようですね。どうやら。

今日の疑問。the Consul そして Tony Po 唐突に人名や固有名詞を出されると困るよな。

今日のメモ グレアム・グリーンの『おとなしいアメリカ人』を読むこと。マイケル・ケイン主演の映画でもよし。

2003年4月5日 (土)  飛び込みの仕事

そもそも4月からはこの翻訳にかかりきりになれると思ったので日記をつけてみようという気になったのだがやはり飛び込みの仕事が入ってしまった。

しばらく前までは毎月の締め切りのある仕事とか下訳のチェックとか翻訳教室で教えるとか翻訳の合間に他のことを挟まなければならなかったが今回は下訳もなしスケジュールもほどほどで余裕あるなーなどと思っていたらすぐ。……むしろ雑誌の仕事はわりと好きなので二つ返事で引き受けちゃったよ。

それはさておき仕事を受けるときにもったいをつける人がときたまいる。いま忙しいんだけどどうしてもというならやってあげてもいいとか。あるいは逆に妙に謙遜して私でいいのでしょうか自信がありませんなんて下手に出る人。ってどっちも自分だよ。思い当たります(昔はね)。でもそういうのはウザいと反省して引き受けるときはなるべく晴れやかにしようと思っているわけ。もったいつけず卑下もせずニュートラルに。(そうありたいという願望)

という記述自体が「いいわけ」になってしまっているが急な仕事が入ったので本日はほとんど翻訳できず。

ほんの10行ほど翻訳。1段落にもなってないよ。
今日の迷い 「フレンチのシェフ」とすべきか「フランス料理のシェフ」とすべきか迷って後者を選ぶ。

〜or〜 の使い方。「〜あるいは〜」なのかそれとも「〜すなわち〜」の言い換えの用法なのか迷う。要調査。

2003年4月6日 (日)  中途

今日は少し翻訳したものの午後から出かけなければならず中途半端に終わる。そういう日々ってわりとあるんだよね。なんとなく過ぎてしまう日々。日曜だからとかそういうのとは関係ない。日々の積み重ね。‥‥林芙美子の「放浪記」を読む。

2003年4月7日 (月)  健康維持に運動

運動不足解消のためウォーキングをしている。最初の頃はみるみる体重が減ったのにもう2年くらい続けているので体が慣れてしまったのか最近はぜんぜん減らない。むしろ2キロもリバウンドしちゃったよ。

今日も午前中花見がてら1万歩あるいたんだけどな。ぜんぜん体重は減ってないの。がっくり。神田川沿いの桜を見ました。中央線沿線の桜も電車の窓から花見。

午前中は健康のための運動午後は仕事夜は楽しみに使うようにしている……というとすごく優雅な暮らしぶりに聞こえる……ある意味優雅かも(貧乏だけどね)。でも若い人は真似しないように。10年早いです。「10年早い」というこの言葉センセイから何度言われたことか。

「下訳を使う? 10年早い!」
「仕事を選びたい? 10年早い!」
「もっとのんびりしたい? 10年早い!」……といわれつづけてン十年。とはいえ「私はこうする」と意思表示をはっきりすれば「10年早い」は出ないで応援してくれるセンセイだったのでよかったです。

とどうでもいい話を書いていて翻訳の進行状態はゼロ。急ぎの仕事のほうをやってます。といってもこれも翻訳だからなー。

orの使い方は解決。「〜あるいは〜」のシンプルな使い方だった。

2003年4月8日 (火)  寄り道

ビリー・ボブ・ソーントンの母親って霊能者だったんだって。職業として。へーだから『ギフト』の脚本なんか書けるんだねー。というようなことがわかるのも翻訳をやる楽しみの一つだ。ビデオ屋さんで『ギフト』を借りてきて見るのも「仕事のうち」。うれしい。

雨がざんざん降っているしこのあいだ午前4時半にチャイムがなって恐る恐る覗いてみたら誰もいないという怖いことがあったので『ギフト』はびくびくしながら見ちゃったよ。ケイト・ブランシェットはいい女優だなー。とここまでは飛び込みの仕事のほう。

肝心の翻訳は2ページ。朝の運動の時間を飛び込み仕事にさいたので今日は運動不足なり。雨だし寒い。

今日の疑問。carnales(イタリック)。イタリア語かな? イタリア語だと「肉」の意味だけど…… 

2003年4月9日 (水)  イントロ訳了

イントロを訳了。全体の5%終了。
今日はなんだかやる気がでない。天気はいいのにね。実質2ページしか翻訳できず。

前に某出版社の編集部で雑用係をしていたときお使いで某有名翻訳家のところへ原稿をもらいに行ったことがある。当時は翻訳の仕事の実態なんてぜんぜん知らなかったので疑問にも思わなかったんだけどそのときくれた原稿がなんと200字1枚だった! 1枚って……

いまなら冗談じゃないと思うけどね。当時はそんなもんかと思ってありがたくいただいてきました……はー(溜息)

今日の疑問点Ron Jeremy これはネットで調べたらすぐにわかった。アメリカの有名なポルノ男優ということだった。しかしついでにNY在住の人の映画&テレビ評のサイトを見つけて読みふけってしまったので道草を食ってしまった。

2003年4月10日 (木)  気持の切り替え

午前中は用事で外出。午後から雑誌の仕事をちょっとそのあと気持を切り替えて第1章にとりかかろうとしたんだけどこの切り替えがむずかしい。

集中力の持続というか……。プロの翻訳家である友達2人がいうには最初はテンポが遅く最後のほうはスピードアップするとのこと。私もまあそういえばそうなんだけど最後のほうはどうしても締め切り前の追い込みという感じで切羽詰っているから早くなるんじゃないかな。でも早くできるというのはただ追い込みだからだけではなくそれまでに文章に慣れているってことがあるんだろうな。

それでも私の場合最後のほうになってもスピードアップはあまり実感できない。むしろ最後の50ページは「もっと早くできるはずなのに!」という焦りのほうが強いみたい。

いまやっている翻訳は同じ著者の本を前にやっているので文章の癖というのはわりとわかっている。それだけ……比較的……どちらかといえば……楽といえないことはない……んだけどそれでもけっして気楽にはできない。楽な仕事ってほんとにナイね。

気分転換に失敗したせいか今日は1ページしかできず。

今日の悩み。「人生の目標を見つけた」か「人生の目標が見つかった」かどっちにするかで悩む。日本語らしさを生かしていちおう後者にしておく。

2003年4月11日 (金)  平常心

なんだかごく通常の「翻訳びより」だった。つまずくわけでもなくすごく順調というわけでもなく淡々と仕事しました。実質3ページしか翻訳してないけどね。というのもこれまでやった部分の読み直しをして手を入れていたから。けっこうテンポいいじゃないなどと自画自賛する。

午後は調べものをしつつそこそこ波に乗って進む。「タラの舌」なんて食材があることもわかったしね。鱈のブランダードとかニューヨークのスパイス専門店とかポルトガルのビールの銘柄とか……ほんとうにインターネットというのは翻訳者にとってはありがたいツールです。

でも! 仕事の合間に6月のバーゲン航空券の予約をしようとしたらネットが混んでいてぜんぜん入れない。30分に1回くらいアクセスしてもだめ。午後5時過ぎにようやくアクセスできたので予約しようとしたらすでに空きがない!! これってひどいじゃん? アクセスできないようならネットで予約受付なんかしないでよね。結局早いもの勝ちなのかな。電話と同じね。アクセス待ちってけっこう時間がかかるので今日はずいぶん時間を損しちゃった。飛行機会社の運営・サービスにはか・な・り不満。

これじゃ平常心ではないですね。

2003年5月8日 (木)  読みなおし

昨夜は日記に書いたとおりこれまで翻訳した部分をプリントアウトして読みなおしてみた。読んでみるとわりとよくできていて(自画自賛なり)大きな直しはなさそうだ。ミスタッチや未調査の部分を除けばあとは校正で十分直せる。そう確認して安心。最初から自分で翻訳するとしあがりがある程度予測がつくしこういってはなんだけど安定したできになる。だから下訳を使うのは難しいんだよね。

少し安心したので今日はノルマ5ページを達成。途中でガーデニング(?)をしたり駅前まで用事で出かけたりしたわりには順調か。

ガーデニングなんてぜんぜんやりたくないんだけどね。気が散るというのはどういうことかの実例である。携帯メールが来た音につられて居間に出たら窓の外のベランダに置いてあった土の袋が破けているではないか。炭カル袋ってやっぱり溶けるんだね。それでしかたがなくあふれた土を植木鉢に移してついでに伸び放題のエンジェル・トランペットの枝を切って挿し木にしたというわけ。

再度いうけどガーデニングも犬猫ペットも刺繍もパッチワークもまったく趣味ではないのだ。

翻訳は30%終了。30%と3分の1とは似ているけど微妙に違うね。30%には達したけど3分の1にはまだ。ほんとは4月末で3分の1を終えなくちゃいけないのだが。しかしまあプリントアウトしてみたらけっこうな分量があったので1日に原稿200字1枚の人よりずっと勤勉かと思ってよしとする。

2003年5月9日 (金)  食べものの誘惑

ところでこの翻訳は『キッチン・コンフィデンシャル』の続編でいまのところ「キッチン・コンフィデンシャル ワールド版」と仮称しているわけだが前の本はNYのレストラン業界の裏話とシェフになるまでの人生を書いていたのが今回は世界各地の名物料理を食べ歩くというもの。

これまでカンボジアポルトガルフランスのノルマンディーヴェトナムのホーチミンスペインのバスク地方と旅していまロシア。どこの料理もすごくおいしそうで食べたくなって困るのだがロシアはとくに。

最近ロシア料理を食べていないせいもあるがペリメニとキャヴィアがとくに誘惑的なのだ。ブリニというそば粉のクレープで食べるキャヴィアとシャンパン……んーおいしそう!!

バスク地方のピンチョスも食べてみたいがバルを梯子しなければならないので量的に無理そう。グルメ(美食家)というのはグルマン(大食漢)でなければダメなのね。

翻訳はやっと3分の1すんだ。日記効果あるみたい。

2003年5月10日 (土)  数字に弱い

3割と30%が違うなんてヘンなこと書いちゃった。同じだよね。いわんとしたのは3分の1と30%は違うということ(あたりまえか)。当該個所の記述は直しました。あまりにみっともないので。

私は数字が苦手だ。最近とみにダメで99も7の段とか怪しいし足し算をまちがえるのはおろか1,2,3……と数えていって6を抜かしたり14を飛ばしたりと小学生以下である。

今日は5ページやって5章まで終えた。ロシアの次はモロッコ。

2003年5月11日 (日)  先の仕事の準備

今日は翻訳は1ページで終えいずれ手がける仕事の準備。ふだんは原書を読みこむ(&レジュメを書く)だけですむのだがこの本は編集の必要があるのでどの章をカットするかなーと考えたり。

エッセイなので表現に凝っていて語呂合わせや洒落が多い。こういうのむずかしいんだよね。言葉遊びは苦労するわりにできあがりに無理があっておもしろくなかったりするし。

午後は書店とレンタルビデオショップを覗きにいった。最近レンタルはほとんどDVDで見ている。特典映像がお得感あり。

『いつか晴れた日に』(オースティンの『分別と多感』が原作)の特典映像にエマ・トンプソンが脚色賞を受賞したときのスピーチが入っていたがオースティンがその会場に来ていたらどんなことを書くかを想像してその文章を読みあげていた。そういうのすごく知的でエマ・トンプソンかっこいい。

『いつか晴れた日に』では主役のエリナーを演じるのは年齢が上すぎる(設定は21歳か19歳?)んだけど「どうしても演じたい!」というのはよーくわかる。この脚色はとてもうまくできている。ヒュー・グラントがまたこういう内気で弱気だけど人はいいという役を演じるとうまいんだよね! 本人はこのあいだ雑誌で「映画で演じるような善人じゃなくてワル」だとカミングアウトしていたけど。

2003年5月12日 (月)  テスト

携帯から書き込むテストをしてみます。そんな必要はないのですが・・・どんなかな? できるかな?

2003年5月13日 (火)  キーボード

都合によりしばらく更新サボります。違うコンピューターを使わなくちゃならなくてキーボードがぜんぜん慣れないのです。困った。

2003年5月18日 (日)  NYの著者に会う

著者に会ったのは担当編集者のKさん。中断していたこの5日の間になんと「いまNYにいます」とメールがありこの本の著者にインタビューすることになったという知らせ。びっくり。

その件でメールをやりとり途中までだけど翻訳の終わった部分をファイル送信したりしてあれこれ。インタビューは無事終わったらしいが編集の仕事も大変というかおもしろそう。

そんなこともあってますます翻訳に拍車をかけなくちゃねと決心した次第。今日はノルマ5+1=6ページ。もう少しノルマを増やさないとだめかな?

それからもう1つグッドニュースがあった。別の出版社だけどこのあいだ読んで「おもしろい!」と一押しした本の版権が無事取れたという知らせ。これは秋からとりかかる。うれしいな。

2003年5月19日 (月)  40%

今日は6ページ翻訳して全体の40%まで。もうちょっとスピードアップしたいな。

朝は早起きしてウォーキングをし10時ころから仕事にかかって昼食は1時間午後も翻訳して夕方まで。夜は単語調べに2時間くらいって単調な生活!

B社のKさんから電話があり版権が取れた本のスケジュールについて打ち合わせ。秋(11月)からかかって来年1月くらいに訳了かな。400ページあるのでちょっときついかな。最初年内といっちゃったんだけどそれは無理そうなので1月。

そういえばその間ゲラも出る予定なので大丈夫かなとあとで不安になる。まああんなに夢中になって読んだ本なのでたぶん大丈夫でしょう。ポジティブ・シンキングで行こう。

2003年5月20日 (火)  長い章

いまやっているのはモロッコ料理の章なんだけどやや長いんだよね。なかなか終わりません。

昨日は夜少々お酒の量を過ごしたので――というのもボトルにあとどれくらい残っているかなと壜を掲げてみていたら追加注文だと勘違いされてニューボトルが出てきちゃったのだ――夜の単語調べができず今日になって辞書引きをしなくちゃならなかった。そのためノルマ5ページを終えただけ。

モロッコ料理の代表はクスクスタジーンブロシェット(串焼き)の3つだそうです。

2003年5月21日 (水)  45%

今日は7ページやって全体の45%訳了。今月中に3分の2までできるかな? 下調べをしておくとわりとはかどる。でも今日は散歩をなしにしちゃったからな。時間をかければそれだけ仕事の分量ははかどるということか。

砂漠の情景がなかなか美しくてよいのだがじっくり味わって翻訳する余裕がない。しかし文章のできに関しては時間をかければよいものになるとも限らないんだけどね。

合間にネットであれこれ検索して調べたり(遊んだり)しているのだけれど東京のロシア料理店東京タワーの下のヴォルガでブリニとサワークリーム付キャビアのメニューを発見。こんど食べにいきたいな。2人分で7800円だそうですが……

2003年5月22日 (木)  the Hours

今日はやっとモロッコの章を終えすんだ分をプリントアウト。5ページ翻訳。次の章は短いので明日中にすみそう。その次は東京編なので少しはかどるかなと思うのだがかえって著者の間違いが目についてしまって直しに手間取りそうだな。なにしろ懐石料理を食べにいくといって熱海の日本旅館へ行くのだ。まあそれもありだけど。外国人が日本旅館を体験するなんて日本人にとってはちょっとマンネリ(?)かと思わないでもない……。

ところで今日は午後映画『めぐりあう時間たち』を見てきた。このあいだニコール・キッドマンのインタビューを翻訳したしヴァージニア・ウルフには興味があるので。

ひとことでいえば(ってひとことでいうなよ)「女もつらいよ」という映画だった。あまりにも微妙すぎてついていけない部分もあるが素材は面白かった。俳優がみんないいしね。メリル・ストリープは作品によって出来はいろいろだがさすがにいい役者だな。ジュリアン・ムーアもちょっとエキセントリックで変だけどきれいだ。怪物ぶりが似合う。ウルフの描き方はもう少し突っ込んでほしいがそれは私の個人的高望み。

NYのパーティ準備で花のアレンジがすごくセンスがよくてまねしてみようと思った。ついでにストリープの娘役を演じたクレア・デーンズ久しぶりに見たけど現代の若い娘役が新鮮でかわいい。

ジョン・C・ライリーは『シカゴ』に続いて……(ネタばれにつき伏せ字)。私のお気に入りエド・ハリスはもっとかっこいい風貌の役のほうがいいな。うまいけど。ということでいろいろ書きたくなるのはよい映画の証拠。

2003年5月23日 (金)  半分

今日は9ページ翻訳して全体の51%までいった。半分過ぎました。おめでとう。やはり100ページ越えたあたりで本の世界に入りこめるようです。どんどん次がやりたくてその分散歩ができなくなり健康には悪い。坐りっぱなしで腰が痛くなってきてます。それに恐ろしくて体重がはかれない。こういう暮らしを10年続けていれば体重が10キロ増えるのもしかたがないか……。せっかく7キロ減らしたのだから維持したいものです。

今日のおもしろショップ。文中に出てきたニューヨークパークアヴェニューにあるスシ・サンバ(Sushi Samba)という店は日本とブラジルとペルーの料理&文化をミックスさせたスシ屋だそうです。店内ではサンバなどのラテンミュージックが流れていてイベントもやるしグッズも売っている。おもしろそう!

2003年5月24日 (土)  疲れるなぁ

単調な仕事の連続で疲れる。どうも椅子が腰に合わないみたい。翻訳は日本が舞台の章なのでこまかい変なところを修正しつつ7ページ翻訳。もう1週間こもりっきり。雨も降っているしなんだかぱっとしない。とはいいつつまあ進行は順調なのだが……。

翻訳の仕事ってこの単調さが最大のネックかもしれない。鬱になるしね。愚痴をこぼせる相手がいると助かると思います。ほんとにつくづく地味な仕事だ。あこがれの職業とはとても思えないが。(まあ私は好きだけど)

喉がなんだかいがいがする。風邪? 病気するとまずいんだよね。進行が。ビタミンCを飲んで早寝するかな。なんだか愚痴っぽい日記。

2003年5月25日 (日)  やっぱり風邪

どうも昨日は気分が落ち込むと思ったらやっぱり風邪だった。けさは熱が出た。それで今日はぶらぶら単語調べだけしてあとは本を読んだり横になったりして過ごした。いろいろ予定はあるんだけど体が復調してからね。バファリンをのんであとはビタミン剤咳が出るのでのど飴をなめていた。食欲はない。でも体が不調だと病人食というか甘やかし食(プリンとか苺のケーキとかおせんべとか)が食べたくなる。でも買いにいけないので食べられないのさ。

ケーキで検索してみたらケーキ占いというのを見つけた。
やってみたら私は「高飛車なタルト」なんだって。

ケーキ占い

2003年5月26日 (月)  休み

今日も休業中。明日から復帰の予定です。

2003年5月27日 (火)  まだ

不調は続く。全体の55%ってところでしばらく停滞。

作家 早瀬まひるの仕事部屋のdiary24(2002年)5月2日分に「性転換」(文藝春秋刊)についての記述があり訳者について「このかたの訳した本でおもしろくないということはまずない」と書いてくれてます。どうもありがとう。

そういわれちゃうと本の選択にも責任重大だなぁ。全部が全部訳者が本を選んでいるわけじゃないんだけどね。基本的に注文されれば引き受けます。がさいわい私の場合これまでだいたい好きな本をやらせてもらっている。これってすごくラッキーなことかもね。

2003年5月28日 (水)  熱

今日は完全に寝込んでしまった。ずるずる起きていると風邪が治らない。それで思い切ってパジャマを着て本格的に寝てみた。そのせいか夕方になったら喉の痛みと鼻水は止まって回復の兆し。復帰復帰って72年の沖縄みたいだが明日は復帰できるかな?

直接関係はないんだけど原稿料が銀行に振込みされていてそれも少し元気が出る一因になったみたい。どうも単純だなぁ。べつにそれですぐに食べるに困るというわけじゃないのにね。

2003年5月29日 (木)  東京の章を終える

ちょっと長かった東京の章を終えてプリントアウト。ファイルを消したりするとショックだからねせめてプリントアウトでもあればという用心と読み直しのため。30字×40行で縦にプリントアウト。

しかし蒸し暑い! 風邪の発熱だか気温のせいだかわからないほど汗。曇っているし。この湿気はなんとかならないものか。北海道にでも行きたいな……って近々行くんだけど。

明日からの章はカンボジアでこれも長い。平和な日本の次は危険がいっぱいのカンボジア。著者も工夫して並べてますな。この2つの章が山場かな?

午後電話があって雑誌の仕事の依頼があった。6月はこの翻訳の締め切りなのでちょっときついがまあなんとかなるでしょということで引き受ける。

風邪だし暑いし仕事は遅れぎみだしで日記もたいして書くことなし。全体の60%(弱)――弱ってなんだほんとは59%なのである。

2003年5月30日 (金)  ぬ

けさ起きたときは「完全復調!」と思えたんだけどな。夜もよく眠れたし。そういえば昨日は全国的に暑い真夏のような日だったんだってね。熱があるせいでもなかったようだ。風邪が抜けたと思ったのに起きて机に向かっていたら体調が悪くなってきた。のどの痛みは消えてこんどは鼻水が出る。やっぱり仕事は健康に悪い。

午後は文庫本を一冊読んだ。金井美恵子の『彼女(たち)について知っている二三のこと』。その一節に「……ない」を「……ぬ」と文語調に書く男たちというのが出てきて爆笑。そうなのよね。思えない→思えぬとかね。私はこれが嫌いで人の文章チェックでもいちいち「ぬ→ない」と直していたのである。

翻訳は5ページ。カンボジア人の人名クメール・ルージュについて地理など調べものが多くてあまり進まぬ(!)

2003年5月31日 (土)  台風

今日は台風で雨である。掃除だの牧人舎ホームページの更新準備などあれこれ用事をこなす。それにあちこち移動もあって本日翻訳のほうは休業。夜はサッカー韓国戦もTV観戦しなくちゃいけないし。

2003年6月1日 (日)  休日

日曜なので仕事は休んでイラストを描いてました。
『めぐりあう時間たち』のジュリアン・ムーアとかね(雑多日録6月1日を参照)。ひさびさの似顔絵は似てないなー。色をつけないほうが雰囲気が出るかもしれない。

2003年6月2日 (月)  遅々として

進まない。まだ3分の2にならない。しかし焦ってもしょうがないのでこつこつやるしかないな。今日は6ページ。前日の単語調べとその日の翻訳のバランスが崩れてしまってちょっと調子が悪い。先にたくさん調べておくとやる気がうせてしまう。一日分を調べて翌日にそれがちょうど終わるくらいのリズムがいちばんいいんだけど。風邪を引いてデスクに向かうのが辛かったので寝ながら単語調べだけ先行しちゃったのがまずかったな。寝ながらなんてやってるから風邪がなおらないんだという声もあり。

足も弱ってこのままどっと老化の一途をたどるのだろうかとか悲観的になっていけないね。気のせいということにしておこう。いつかこれがついに回復しなくなるというのが老化なのか。

2003年6月3日 (火)  調べ物

今日はインターネットでおもに調べ物。ポピュラーソングの題名とか歌手の名前とかはすぐに調べがついて助かる。

カンボジア語はちょっと難題だな。カンボジア料理店にでも聞きにいかなくちゃだめかな?

雑誌インタビューの翻訳を少し。

ヘンリー・ジェームズの『ねじの回転』読了。こういう話とは知らなかったな。カポーティがシナリオを書いて映画になっていたはず。このあいだテレビで見た『アザーズ』との類似性。あの監督は小説を意識して作ったにちがいないけど。『アザーズ』のニコール・キッドマンはよい。


2003年6月5日 (木)  雑誌記事

今日は雑誌記事のあら訳(第1稿)を終えた。400字で44枚ちょっと。これを30枚に縮めなくちゃいけない。けどそれはしばらく寝かせておいてから。カットは難しいのだがそれでも一問一答のインタビューのカットはまだ楽。文章がきちんと構築されているものはカットってとても難しいんだよね。雑誌記事なので短いスペースにできるだけたくさん情報を入れようと苦心する。その一方で話し言葉をその人らしくしたいしね。ジョン・レノンのしゃべりで「私は……だったんです」というのはちょっとそぐわないなと思ったりね。やっぱり「ぼく」じゃないですか? レノンは。

明日から書籍のほうに戻る予定。風邪はすっかり治って気分よし! 病気のときはほんとに落ち込むけどね。

『コスメチック』(林真理子)読了。基礎化粧品は「イラブ油」のみで事足りている私にはわからん世界だにゃ。

書店でチェックしたら『ねじの回転』(新潮文庫)が初版昭和37年で私のもっているのが昭和48年15刷り。書店の棚にあったのがはっきり記憶していないけど平成12年35刷りとかで中身も装丁もまったく同じ。すごいな。翻訳は蕗沢忠枝。古くなってなくてよい翻訳だと思う。

新潮文庫のYonda Clubというのがあるのだけど文庫のカバーに応募券がついていて何枚か溜めるとパンダ・グッズがもらえる。いくつか応募したんだけどグッズが来るのは4か月後なんだって。楽しみ。でこの応募の台紙が挟んである本とない本がある。今日買った中では『ジェーン・エア』とか『二都物語』にはなくて乃南アサの『好きだけど嫌い』には入っていた。やっぱり若い女性向きキャンペーンなのね。

昨日は埼玉スタジアムへサイタマ・カップフェイエノールトvs浦和レッズ(「小野くんお帰りなさい」戦ともいう)を見に行ったので翻訳はほぼゼロ。

2003年6月6日 (金)  睡眠不足

昨夜はレンタルDVD3本一気に見たりしていたので今日は睡眠不足である。そのためノルマ5ぺーじのみで終わり。

見たのはロマンチック・コメディばかり3本。
1『キューティ・ブロンド』
2『ニューヨークの恋人』
3『アメリカン・スイートハート』
この順でおもしろかった。ジュリア・ロバーツの魅力は私としてはあまりぴんとこないのだ。物語のキーに30キロ減量というのがあるんだけどジュリアのデブ姿根性入ってないよ。もっとデブじゃなくちゃ。『いとしのローズマリー』のグィネスに負けてる。それに3はやたらとキャストが豪華なわりに肩すかし。キャストがいちばん安上がりの1がよくできているのは脚本と笑いのツボがうまいせいだろうな。主演のリース・ウィザースプーンの微妙な変化(見た目の変化。気楽なカリフォルニア・ギャルから何かに目覚めた知的なでも明るい女の子っぷり)がうまい。2はもうちょっと笑えてもいいんだけどな。メグはこういう役パターンだけど少し無理になってきてる?

なんてことを書いているひまはなくて出かけなくちゃいけないのだ。

2003年6月7日 (土)  季節

初夏にどうしても食べなくちゃ気がすまないもの――空豆カツオ鮎筍はも。というわけで昨夜は鮎の塩焼きを食べた。2尾も食べちゃって満足。当然日本酒なども飲むわけで久々にお酒を飲んだせいか(このごろ断酒しているんだよね。無理にではなく)今日午前中までアルコールが残っていた。

その結果当然ながら(?)今日は1ページしか翻訳できなかった。

しかし思うにノルマを果たせばよしとすればいいのに自分の心理を探ってみるにノルマだけじゃ不満のようである。ノルマ以上やってやっとオーケイという感じ。それってなんなの? 勤勉とか生真面目とかいう理由ではないみたい。もっともっとと多くを望む貪欲さみたいだな。

とはいうもののノルマがだいぶ増えてしまって(押せ押せで)今では1日10ページやらないと締め切りにまにあわないんだよね。困った。実質あと100ページは切っているのだから5ページずつ20日やれば終わるんだけどまた例によって月末遊びに行く予定があるのだ。やれやれ。

2003年6月8日 (日)  1章終わる

やっと長かったカンボジアの章が終わりプリントアウト。翻訳途中の心理とか考察しようと思っていたんだけどなんだか精一杯でそういう客観的な目で見る余裕がないね。頭の中が熱をもっているようだ。

ストレスが溜まるとどうも甘いものが食べたくなって困る。ソフトクリームとかスポンジケーキとかね。プチ「自分にご褒美」か? 本来褒美ってのは原稿料という形でもらっているわけだけどね。まあ原稿料を何に使うかというのが問題で。

『ジェーン・エア』読了。昔から『嵐が丘』より『ジェーン・エア』のほうが好きなんだけどそれって要するにハッピーエンドと生真面目な主人公に共感するってことだろうな。映画のジェーン・エア(古いほう)は主人公がジョーン・フォンテーンロチェスターは誰だと思う? なるほどと思った配役なのだがオーソン・ウェルズ。

ところで『コスメチック』について読後のいやーな感じがなんだったのだろうと考えているのだが……『不機嫌な果実』を読んだあともうこの作家のこの手の作品は読みたくないと思っていたのにまちがってつい読んでしまったという感じか。視線が辛辣で意地悪だというのはよく評されることだけれどそれにしても登場人物がみんな卑小で底が浅くて愚かなのがどうも不快だ。悪なら悪なりの魅力があるのに悪とまでいかず浅薄でいやらしいだけ。それが現代人だとか風俗小説とはそういうものだとかの論はあるでしょうね。しかし卑小さがあたりまえみたいに読めてしまうのはどうなんでしょう。これでいいのか? まあお説教しろとはいわないけどね。「仕事と寝ることができる女」というのもちょっと気がきいているだけの陳腐な表現だと思う。

2003年6月9日 (月)  イギリス

今度の章の舞台はイギリスロンドン。やはりなんとなくようすがわかっているとイメージがつかみやすい。7ページ翻訳。全体の71%終了。あと2週間で終わるかな。

とはいえなんとなく心配になってきた。前著で誤訳をしているんじゃないかという疑いが……確かめるのがコワイ。ま本質的な問題じゃないんだけどね(って当人がいうな!)あとからわかるってことわりとあるがやむをえないですね。重版で直すしかないし。誤訳の1つや2つ……いや反省してます。

『ジェーン・エア』の新しいほうシャルロット・ゲンズブールのを見た。最大のミスキャストはウィリアム・ハート。だってロチェスターはなんといったって黒髪じゃないとだめでしょ。黒い目で。セリフも最後の黒い大きな目がってところが「ブルーの目」になってる。不満である。ブロンテ姉妹の情熱はやはり黒髪黒い目でないとね。ハーレクインでもロマンチックな恋人の条件は「トールダークハンサム」なのだ。このダークは肌色じゃなく髪の色。色素の関係だから髪が黒いとたいていは目も黒っぽいのだ。

ロチェスターの「結婚したい」という(英語ではwantという語が入っている)セリフも「結婚するつもりです」という字幕でこれだと願望ではなく予定のようになってしまって微妙なニュアンスが伝わらない。要するにロチェスターはジェーンと結婚したい(願望)なのだがジェーンのほうは彼がブランチと結婚を決めた(予定)と勘違いするところにドラマがあるんだけど。 

なんで「ジェーン・エア」にハマるのかな。高校生くらいのときにもハマった記憶がある。ティモシー・ダルトン版も注文してしまった。

2003年6月10日 (火)  あと少し

あと少しとはいえないかな。7割は過ぎたわけだが。今日は6ページ。あと1ページでこの章が終わるんだけど疲れちゃった。でももう少し粘るべきか。午後雑誌記事を短くする作業をしていてこれが意外に時間をくった(2時間)。

午前中は郵便局に地方税を払って家賃振込みやその他の用事で駅前まで出かけていたので実質仕事にかけた時間は短い。

今日は出かけたついでに気に入った帽子を見つけてつい買ってしまった。じつはこの夏になって買った帽子は3個めなのだ。買物もストレス解消の一手段とはいえ。地方税の支払いがあることをすっかり忘れていたので銀行口座に残金20万円くらいしかないというのに……。

昨日見た映画は『ビューティフル』(サリー・フィールド監督ビューティ・ページェントの内幕がおもしろい)『ブロンテ姉妹』(セリフがフランス語で妙)。歩くことについて考える……が頭がうまく働かず考えられない。

2003年6月12日 (木)  まだまだ

「あと少し」というのはあと10ページとか20ページになったらいえることですね。まだまだたくさんある……のでちょっとがっくり。停滞中。

昨日今日と出かけていたので進行はゼロ。出かけた先で下調べだけでもやろうと思ったのだがなんと眼鏡を忘れるという大失敗。乱視なのでコンタクトでは小さな文字がみにくいのだ。焦るがまた体調を崩すとまずい。なんとなく疲れているので今日はおとなしく寝ようかな。

おとといは『大いなる遺産』イーサン・ホークとグィネス・パルトロー版を見た。ディケンズの原作を現代NYに移しかえるというのはちょっと無理があるんじゃないか? そもそも「ピップ」という名前を変えちゃだめだよ。ジョーとのエピソードはこれほどがらりと変えられていても胸を打つ。ジョー役はこのあいだアカデミー賞助演男優賞をとったあの……名前を忘れた。画家になって成り上がるというストーリーなのだがその絵を誰が描いているのかなんだか見たことあるなと思ったらフランチェスコ・クレメンテだった。画商にとりいって成り上がるところは実体験か。

倉橋由美子『聖少女』再読。高校生のときに衝撃を受けて友達のあいだで大流行した作品。ストーリーはほぼ忘れていたものの部分的なシーンはくっきり覚えていて当時のショックの強烈さがわかる。雰囲気が村上春樹に似ている。彼はこの小説に影響を受けてるねたぶん。すでにいわれていることかな? 春樹論はあまり読まないので知らないけど……。

2003年6月13日 (金)  暑かった

今日は蒸し暑かったこと! 午後から出かけたら汗みずくになってしまった。久しぶりに出版社に顔を出して交代する編集担当のかたと顔合わせ&打ち合わせ。ふだん原稿のやりとりはメールや郵送仕事の打ち合わせも電話ですませているのでじかに会って話をするのはじつに何カ月ぶりか。出勤もしないでいいし人と会わずにすむこの仕事は性に合っている者にはとても楽だなーと改めて思う。こつこつ仕事をしていればいいんだから――それがストレスという人は翻訳の仕事は向いてないね。でもいちおう人と話せるだけの常識的態度は必要だと思うが……。とくに売り込み中は対人関係が大事ですよね。次々と仕事が途切れずに来るようになったら「最良の営業はきちんとした仕事をすること」でいいかもしれないけど。

帰りに図書館に寄って旅行ガイドを借りてくる。「メキシコ」と「ヴェトナム」。料理の名前を調べるため。

ついでにジョージ・エリオットの『ダニエル・デロンダ』4巻も借りてきた。注文しておいたDVDの『ジェーン・エア』も来ちゃったので見たくてしかたがない。でもとりあえず夕飯後の楽しみにとっておいてそれまでは仕事をしなくちゃね。うーん。でも見たい。

『19世紀のロンドンはどんな匂いがしていたか』(ダニエル・ブール青土社)を読んでいる。オースティンやディケンズの世界の解説書で男子相続や限定相続の説明何を着て何を食べていたか。おもしろい。

2003年6月14日 (土)  メキシコ

今日は5ページ翻訳。今回の本は特別かもしれないがいろんな国の言葉が頻出するのが困る。いまやっている章はメキシコが舞台なのでメキシコの料理の名前や地名がたくさん出てくる。メキシコの言葉は基本はスペイン語だけど若干ちがうんだよね。辞書にも出ていなくてなかなか厄介ではある。

ほかにもこの本に出てくる言葉は。ポルトガル語ロシア語スペイン語ヴェトナム語カンボジア語など。日本の章を見るかぎり綴りが必ずしも正確じゃないのでほかの国の言語とくにアジアの言葉は信用しきれないところもあって悩む。

今日の新知識。Donkey Show ロバと女のからむエッチなショーの意味もあるがそれがどういうわけかホールドアップ追いはぎ強盗みたいな意味になるらしい。NYのショーでも同名のものがあるが文脈からするとそれではないようだ。「らしい」とか「ようだ」とかあいまいですな。

リュウゼツランに生息する芋虫なんて食べたくないな。イグアナもパス。

『ジェーん・エア』話の続き。ティモシー・ダルトンのロチェスターはいい。黒髪と力のある黒い目迫力ある英語がイメージに合っている。ハンサムだけどね。原作では「ハンサムではない」というセリフがある。007ではコケたダルトンだがかっこいいではないですか。

ジェーンも気の強さを強く出しているのはいいのだがその分薄幸という感じがあまりない。ヘレンとのエピソードやローウッド校のいじめ話がわりと淡々としているせいか。

難点は字幕。ぞんざいな感じの訳でせっかく原作があるのに参照していないんじゃないかと思うところが多い。

BBC製作でテレビ放送なので画面が明るすぎるかな? ジョーン・フォンテーン版はオーソン・ウェルズの趣味かすごく暗くてでもその黒がとてもきれいだった。シャルロット・ゲンズブール版はゼフィレッリの趣味かセットは豪華だったな。今日はBBC版の後半を見るのだ。楽しみ!

2003年6月15日 (日)  三食ハムサンドの日

今日はきりのいいところまでと思って8ページ翻訳した。全体の80%まで訳了。あと50ページちょっと。ということは5ページずつで10日か。ぎりぎり6月末には終わるかな? 読み直しを計算に入れておかなくちゃいけないのだがなんとかつじつまを合わせるのがさすが10年選手(自賛)。

午後はちょっとした企画書を書いた。実現するかどうかは出してみないとわからない。

今日は仕事以外の読書・映画はなし。しかも朝昼晩の三食ともハムサンドですませてしまった。アスパラガスを入れるかチーズ(カマンベールかクリームチーズかの選択もあり)を入れるかのバリエーションはもたせたとはいえ。コンビニ食でないだけましかな……というかコンビニまで買いに行くゆとりさえない。

2003年6月16日 (月)  クラッシュ

パンクロックには強くないのでクラッシュの曲なんか知らなかったよ。「チャーリー・ドント・サーフ」って曲があるのね。章のタイトルに「キャン・チャーリー・サーフ?」というのがあってクラッシュの曲からだとようやく気づいた。危ない! 気がつかなかったらみっともない翻訳をしちゃうところ。というか文章そのものはたいして変わらなくても訳者の気分が違うとなんらかのニュアンスの差が出るかもね。もちろん誤訳してしまう恐れも大あり。

本文を訳していてなんかいわくありそうという勘が働きウェブ検索してクラッシュの曲だと判明した。さっそくCDも注文しちゃった。

ヴェトナム関係ではもう一つコンフリクトが……。ヴェトナム人が書いたヴェトナム戦争の本『Sarrow of War』が日本では2通りの翻訳が出ており一方が誤訳と改竄だらけだともう一方の訳者がかみついているというもの。かみつかれたほうが英語からの重訳。誤訳をめぐる論争って意外にあちこちであるんですね(sigh)。

英語から翻訳した『戦争の悲しみ』のほうは現在は品切れ。もう一つの『愛は戦場の彼方に』は手に入るようだけどこの邦題はちょっと手が出しにくい。

今日は5ページ翻訳。午前中出かけていて仕事をしたのは午後だけだからまあいいか。

ハムサンドの続き。昨日はハムが残っていたからハムサンドだったのだがけさもハムサンドだった。ちなみにパンは全粒粉のサンドイッチ用です。それで今日の午前中は出かけていたので昼食にパン屋でサンドイッチを買ったのだけどこれがまた(思わず)ハムと卵のサンドイッチ。結局好きなわけですね。ハムサンドが。

2003年6月17日 (火)  チャーリー

昨日書き忘れたがチャーリーとは(ご存知のかたも多いでしょうが)ヴェトコンのこと。クラッシュの「チャーリー・ドント・サーフ」は現在のブッシュ政権にも適応できる痛烈な歌詞である。今日は3ページしか翻訳できず。


2003年6月18日 (水)  追い込み

今日は9ページ翻訳。残りは長い章が1つと短い章が2つ。40ページを切ったからあと4日で終わるはず(かな?) 1章が終わるとついほっとしてひと休みしたくなるのだが今日はノンストップで次の章(長い)にとりかかった。あせると誤訳や脱落が多くなるので気をつけなくちゃ。今日も一か所脱落しかけた。前の日に下調べをしておくと脱落防止にも役立つのだ。一部抜かすとたしかこういう記述があったはずだよなと気が付く。でも今日脱落しかけた箇所はどうも前後のつながりであまり必然性が感じられなかった。ま言い訳だが。

ところで雑誌の翻訳原稿をメールで送ったのだが着信の返事がないのは張り合いがないな。まあ締め切り過ぎても着いていなかったら必ず何かいってくるはずでしょうからたぶん着いてはいるんだよね……。

2003年6月19日 (木)  ひきこもり

朝からずっと翻訳。9ページ。あと30ページほど。昨日から坐りっぱなしなので腰が痛い。本も読めず映画も見られずコンフェデ杯も見ず。俊輔のゴールを見たかったのに。

台風で雨が急に降るかと思うと風が強く蒸し暑い。
今日は夜も仕事か。

2003年6月20日 (金)  逆上?

友人の小説家菅谷充さんの日記には(締め切りが迫っているのに家では仕事が思うように進まないため)「逆上してファミレスへ出撃」という記述がよく出てきて見るたびに笑ってしまうのだが(ごめん)「逆上」という気分がよくわかるこの23日。

今日は11ページ翻訳し13章を終えた。あとは1415章を残すのみ。全体の93%。16章あるのだが短い最後の章は合間を見てすませてある。毎日こういう調子でやっていたらもっと余裕をもって終えるのにな――と毎回思う追い込み中なり。


2003年6月21日 (土)  梅雨明け

沖縄は早くも梅雨明けだそうだ。いよいよ夏だね。今日は長距離を移動したので疲れた。頭が働かないのでもう寝てしまおう――寝すぎか?

翻訳は2ページのみ。移動のあいまに単語調べをした。またしてもヴェトナム語が出てきて苦労する。これは誰かに訊かなければだめだな。読みを正確に表記するのとそのヴェトナム語と英語の説明が合っているかどうかを確認しなければならない。

クラッシュの「チャーリー・ドント・サーフ」を聴いた。歌詞の辛辣さからバリバリのパンクを予想していたらなんとポップでお気楽でかわいいとさえ思えるサウンドなので意外だったな。やはり時代の差だろうか。詞と音のミスマッチがなんともおもしろい。

それにしてもライナーノーツについている訳詞はわけわかんないね。もともと期待はしていないけど……「アフリカはやつらのコカコーラで窒息しつつある」のコカコーラが「炭」になってる。コカコーラ=炭? なんでだろ〜と踊りたくなる。

2003年6月22日 (日)  訳了

なんだかアンチクライマックスですが本日訳了。疲れた。まだ読み直し調べ物など残っているがとりあえず終わった。

ということで期間限定日記は終了とします。

日記をつけて気がついたのはやはり一日のノルマをこなさなくちゃという気持が強くなり(私はかっこつけだから)張り合いが出るということですね。誰も見ていないと思うとついサボってしまう。この日記も誰が見ているかわからないようなものですがそれでも形になって残るとサボったというのは気持が悪い。なかなか有効な手段でした。

もっと翻訳のノウハウとか翻訳しながら思うこととかたくさん書きたかったんだけどそれはできなかったな。今後に期待。

ご愛読(?)励ましのお便りなどありがとうございました。秋には本になりますのでよろしくね!